寝屋川にて。
寝屋川市にて、ドイツの紙壁紙と塗装の施工を実習。
同業者の友人、Sさんに連れられ、若いKさんも一緒に、寝屋川市まで行って参りました。
お昼の待ち合わせだったので、まず駅近くの住宅街にある、小さなカフェでランチをしました。
SさんとKさんは、北海道のスター、「大泉洋」の大ファン。DVDを貸しあったりしているので、その話で大盛り上がり。実は、私にもDVDを貸してくれて、「きっとspiralちゃんは、はまると思うのよね~~。早くこっちにいらっしゃいな~」と言われているんだけど。ゴメンよ、もう一歩、はまりきらないの。
さてさて、今回お邪魔したのは、自然塗料や天然石鹸などを扱うT社の、新しいショップになるところ。
ショップオーナー親子がセルフビルドで内装し、お客様に実際の色合いや質感を見てもらえるようにと、こつこつとお店作りをされていました。
まず、アウロ(ドイツの自然塗料。合成原料なしで、そのまま川に流してもいいほど、環境に優しい材料。もちろん人体にも安全。)の壁用塗料の調色から。出来上がった色は、壁に貼られた壁紙、ルナファーザーに塗装します。
現在、日本で使われている壁紙は、ほとんど全てといってよいほどビニールクロスですが、ルナファーザーは紙でできています。紙の中に、木材のチップなど漉き込まれており、優しい表情を出しています。
壁紙は古くなれば張り替えられる、というのが利点ですが、その度にゴミとなり、環境に負荷がかかります。ルナファーザーは初めから真っ白で、塗装仕上げをすることが前提になっています。古くなれば、張り替えるのではなくて塗り替える。
しかも、ヨーロッパではこれらの作業は、専門の職人さんではなく、家庭のお父さんの仕事です。もちろん、いがんだり、隙間が開いたりと、日本では「クレーム」になるような事も、お父さんの頑張りの賜物ならそれは「味」となります。子ども達も色を決めるのに参加したり、糊付けなどをお手伝いすれば、家作り・家のメンテナンスは家族の大事なイベントになりますね。
アウロは、きれいなブルーに仕上がりました。これを壁にローラーで塗っていきます。全く臭いもなく、水性なのでムラにもなりにくく、素人でも簡単にできます。初め、すごいムラになったので、「す、スイマセン・・」とビビっていたのですが、乾くとすっかりきれいになりました。
続いて、ルナファーザーを壁に貼る実習です。
塗装は経験があったのですが、壁紙を貼るのは、見てはいるけれど自分でやるのは初めてです。糊(これもでんぷんでできた天然のもの)を塗った後、10分ほどおいてなじませてから、壁に貼っていきます。
久しぶりに脚立にのり、足が震えます(笑)。
壁紙を壁にあてて、刷毛でなでるように貼っていきます。貼る、というよりは、沿わせる、といった感じでしょうか。途中、横に引っぱるとビリッと破けてしまうというハプニングが(汗汗)。しかし、上手く継ぎ合わせれば全く目立たなくなるんです。
こういうのも、ビニールクロスでは考えられない点ですね。
ルナファーザーは紙なので、通気性があり、湿度調整をしてくれるという点でも優れた材料です。ただし、伸縮するので、基本的には時間が経つと継ぎ目の部分がすいてきます。日本人は、こういうディテールの仕上がりにとても細かい方が多いので、こういった点を十分に、理解してから使用しましょう。ちょっとラフな仕上がりでも、それは手作りの「味」だととらえられる人に向いています。
これは、自然材料といわれるもの全体的にいえることです。工業製品とは違うということです。
でもね。日本には、昔から職人と言われる人がいて、手づくりでも寸分たがわぬ製品を、何十年も作り続ける、という事も珍しくないですよね。また、日本人はそういう「伝統の職人技」的な事が大好きですよね。
だからそんな、2ミリもクロスがすいてたら、何だこれ!って思うのも無理ないと思うんです。仕上がりの完璧さを求めるならば、普通にビニールクロスを使ってもらった方がいいのかもしれません。
(でも、アレルギーやぜんそく、シックハウスなどの症状があるなら、ビニールクロスは避けたほうがいいでしょう)
今のところ健康そのものの私たちでも、つんとするようなにおいがなく、触っていて何のプレッシャーも感じない材料は、触っていて楽だと感じました。
出来上がった空間も、空気感が絶対に違うはずです。
久しぶりに、心地よく疲れて、また電車に乗って帰りました。
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