暮らしのリズム~町家と腹筋~
去年からカルチャースクールで歳時記の勉強を(もちろん生徒として)しているのですが、そのクラスで京都に行ってきました。
個人的には、他の機会に何度も行っている町家の見学ですが、今回は暮らしぶりまで公開され、体験もできる秦家へ。
12代も続いたお薬やさんだった建物は、100年前と変わらず、手間のかかる暮らしを容赦なく現代にも要求する「不便なおうち」。
ここが、通りに面したお店だった部分。京都市の文化財に指定されています。
普通の住まいに比べると、圧倒的に暗い室内です。建具は、9月の今はふすまもついたても、夏用のよしず。秋が来る頃、冬用の建具に入れ替えます。
お話をしてくださった住人の秦さんは、シンプルなサマーニットにフレアスカートという装い。
一つに束ねた髪がきりりとしていて、おだやかな京都弁ながらも芯の強さを感じさせる女性です。
ここでは暮らしそのものが、お正月やお彼岸、お祭りなど、ほとんど毎月ある年中行事を軸にしてまわっています。
しきたりどおりにしつらいをし、料理をつくり、お供え、お配りものをして・・・。
それらを大きな周期とするなら、住まいの手入れは毎日の小さな周期。
「たかがお掃除と思われますやろけど、要領ようやろうと思たら、あたまも使います。」と秦さん。
かくいう私の実家もかなり古い建物ですが(由緒はないけど)、古い家は、ただ古いということだけで、汚れて見えます。
ところが秦さんのおうちは、どこを見渡してもピシ~~っと片付いて清潔感があり、古いどころかモダンにも見える美しさ。
押入れの中も、きっちり整理整頓されているのでした。
毎日のそうじのような、当たり前のことを当たり前にきちんとする。
身体を動かして、気持ちいい住まいを維持する。
季節の移り変わりを肌で感じ、自然と共にある自分の命を有難く思う。
伝統的な行事を古臭いと一蹴せず、丁寧に行い、きちんとできたことに感謝する。
その繰り返しで作られている暮らしのリズムは、とても美しいものに思えます。
それにしても、これらって、今の私に欠けているものばかり。
現代の生活はあまりにも便利すぎ、自由すぎて、かえって失っているものが多いのだと、改めて感じたのでした。
子どもに対しても、もう少し毅然とした母親像を見せなければ。
ああ、反省はんせい・・・・。
さて、そのあと、おまけでキッチン(「だいどこ」)も見せてもらいました。
最近リフォームをされたそうで・・・。
昔から使っているキャビネットの取っ手だけを交換。すこし壁から離して奥行きをつくり、ステンレスの天板を渡したそうです。白いタイルは秦さんが自ら貼ったとか。
コンロは、仏ロジェール社の4つ口(白いガラスのふたがしてあります)。薄くて、なんと下に引き出しが作れてます。その下が、AEGの電気オーブン。
シンプルデザインの外国製の設備機器が国産の古いキャビネットと調和して、落ち着いた雰囲気のキッチンでした。
床はもちろん土間です。
こういうおうちには、犬より猫だね・・・。なにをしてても、サマになってました。
さて、暮らしのリズムの大切さを実感したわたし。
そうだ、家も自分ももっと磨いて、かっこいい大人になるんだ、と今年に入って何度目かの決意をしてみたのでした。
そのためには、まずは規則正しい生活をしなくちゃ・・・。
というわけで、寝る前の腹筋運動から始めてみました。
京都の町家暮らしに触発されて、腹筋て・・・・・?
ちょっと主旨と違うような気もするけど、まあいいんです(笑)。がんばって続けます。
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