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2007年1月17日 (水)

音を感じる環境

アールドヴィーヴルサロンで、バイオリンとチェロの演奏、そして「実証実験授業」という、ちょっと変わった公開講座の企画がありました。

「実証実験」についてはまたの機会にお話するとして、今日は前半のミニ演奏会のお話です。ごく普通(といってもかなり広いのですが)のマンションに20名ほどが集まり、楽器の生演奏を聴くというぜいたくなチャンスでした。

バイオリンもチェロも、木でできた楽器です。音を出すには木を響かせて、アンプなどを通さずに空気を震動させます。その「生の音」を、オーディオなど電化製品を介さずに「生で聴く」というのは、こんなにストレートに感情に訴えるものなんだと改めて気付きました。

観客の拍手と共に、2人の奏者がそろって第一音を発した時、わたしは正直なところ「え・・・?」と思いました。チューニングも合ってないし、キィキィと無理して鳴っている様な音色・・・。

でも、演奏が進むに連れて、次第にその場の「空気」と楽器、奏者、そして聴衆とが一体になり、徐々に豊かな音が会場を満たし始めました。

楽器は、置かれた環境にとても影響されます。わたしは中学・高校時代に吹奏楽部でクラリネットを吹いていたので、その事は経験として理解できます。
同じように演奏してもその日の温度や湿度によって音程・音色が違うし、部屋の広さや内装(床が木なのか、カーペットなのか、タイルなのかなど・・)も、音の響きに影響します。

そして奏者のテンションも、目の前の観客の反応によって変わってくる。その場の環境全てが、演奏を左右するのですね。客席を含めて「この演奏会」といえるのかも知れません。

今日はバッハから始まり、歴史の流れに沿って現代曲へという選曲でしたが、だんだんと雰囲気が一体となり、最後の久石譲さんの「天空の城ラピュタ」の挿入歌「空から降ってきた少女」では、涙ぐむ人もいるほどでした。

とても貴重で、感性を刺激されるよい機会だったと同時に、室内環境の大切さやデリケートさを改めて感じた日でした。

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