【ドラゴン・リリーさんの家の調査】
今日は本の紹介を。
「ドラゴン・リリーさんの家の調査」
調査・絵・文:山本理顕
NHKBSの「週刊ブックレビュー」で、数週間前に紹介されていて知りました。
「ドラゴン・リリーさん」と「おさださん」の家のことが書かれています。
具体的なことは、最後までわかりません。
ただ、「ドラゴン・リリーさんとおさださんは、並んで歯をみがきます。」みたいな簡単な文章の横に、洗面室の平面図が書かれています。
図面は手描きで、寸法がミリ単位できっちり入っており、色鉛筆で着彩されています。
そんなページがいくつも続き、この家の部屋が順番に紹介されていきます。
さあ、ドラゴン・リリーさんは、おさださんは、何者なんでしょう?
「家族は最大5人です」って、どういう意味なんでしょう?
そして、家の紹介が終わると、この不思議な家だけを見下ろしていた視点が急にパノラマになり、町内の様子、もっと広い範囲の地域の様子が、鳥瞰図で描かれます。
一つ一つの家のあり方が町を作っているし、町全体ののあり方を見て、初めて一つの家の暮らしぶりが見えて来るんだよ、と教えてくれるような本です。
この本は「くうねるところにすむところ」という、こども向けの住関係本シリーズの中の一冊のようです。
でもいかにも子ども向けというのではなくて、淡々と客観的な描写の中で家族の姿を想像させてくれる、ちょっと突き放したようなスタンスに、大人のわたしも充分引き込まれます。
(ところで、建築家の描くイラストって、シンプルでかわいい事が多いと思うのです。そして、数字も。
わたし、高校時代の数学の先生が板書する、丸みがあって繊細な数字が、実はとても好きでした。数式の意味はほとんどちんぷんかんぷん・・でしたけど。そしてその先生自身もちょっとニガテだったけど、書かれる数字や図形は、なんだか消すのが惜しい「作品」みたいだったなぁ・・・。
この本のイラストも、寸法の数字も、そんな風にかわいいシンプルさがあって、そこがまた気に入ってるところです。)
もちろん、我が家の子どもたちにも見せましたが、2人とも気に入ったみたいです。自分の家と比較したり、町のパノラマに見入ったりしていました。
こんな本を通して、住まいや暮らし、町について、少しでも意識してくれたらウレシイなぁ・・・。
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コメント
おもしろそうな本ですね。
見てみたいわ。
投稿: seguchi | 2007年3月21日 (水) 17時36分
良さそうでしょ。
明日持って行きますね~~^^
投稿: spiral | 2007年3月22日 (木) 00時31分