色彩の暴力
漫画家の楳図かずおさんが建築中の家の外観について、付近の住民とトラブルになっているようです。
トレードマークである赤と白のボーダーに塗装した外壁に、目のような窓、屋根の上にもキャラクターのオブジェがつく?とか。
この家については、やっぱり近所に住む立場に立てば、確かに苦痛だと思いますが、もし裁判になっても、楳図さんの行為は法律違反ではないため、住民側が不利だそうです。
でも、わたしの考えとしては、建築物を造る、というのは必ずしも個人の問題ではないと思います。コミュニティの一員として、街並みについての意識も必要ではないかと思っています。まだまだ、その辺が日本の法律が立ち遅れている部分ですね。
さて
TVのワイドショーで、その近隣住民の方が、楳図邸のの完成予想図をカメラに向けながら、「これは色彩の暴力です」と言われてました。
そう、色というのは使い方によっては、暴力的にもなり得るんですね。
確かに、赤と白の組み合わせは、視認性(目立ちやすさ、とも言えますか・・・一番視認性の高い組み合わせは、工事現場などで見かける黒と黄色です)はそう高くないのですが、進出色(飛び出して見える)の赤と、無彩色の白との組み合わせで、かなりコントラストが高いといえます。紅白幕と同じですから、ちょっと派手なイメージ、見方によってはポップなイメージになりますね。落ち着いた、とかリラックス感、とかとはかけ離れてしまいます。
テーマパークではともかく?閑静な住宅街では浮いた存在になることでしょう。
楳図さんもそんな状況で暮らしていくのも、実際にはツライかな?でも、好きな色に囲まれて暮らしたい!どうしても!!と、いう気持ちも、芸術家としてのこだわりと理解するとすれば。
よけいなお世話の妥協案。
①赤の彩度を落とす。=レンガ色や、ワインレッド程度の落ち着いた赤にする。
②ボーダーではなく、ツートンにする=腰壁部分をワインレッド、上部を白の組み合わせに。
③素材を変える=塗装ではなく、タイル張りやレンガなどの洋館風にする。
または、
④色はそのままでも、ボーダーを細くする=同化現象がおこり、色が混ざり合うので遠めにはピンク色に見えます。
これで、多少は周囲と調和すると思うんですが・・・
どうでしょうか?(笑)
それにしても、「色彩の暴力」って分かりやすい表現ですね。
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