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2009年3月16日 (月)

「前向きに」に思う

今朝の朝刊から。
ひきこもり青年に対する訪問支援についての、精神科医 斉藤環氏のコラム。

訪問支援者(支援する側の人)の資質について抜粋します。

「物事を前向きにしか考えられない人、自分がしている事の正しさを疑えない人は、およそ訪問支援には向かないと私は考える。
(中略)
ためらいと恥じらい、他者への畏れと自らの行為に対する懐疑を常に忘れない事。これこそが、いかなる知識や資格にもまして重要な、訪問支援者の資質というものであろう。」

今日聞いた、ある作家の言葉。
「『前進』や『自分を磨く』などの強い言葉は、あいまいなニュアンスをかき消してしまう。そういう言葉を使うのには、ためらいを持つこと」

前向きに。
あいまいさをかき消して、混沌から目をそむけて、とにかく前に進まなきゃいけないのか?

そう、誰しも白か黒、正か誤かに分かれる訳ではないし、簡単な言葉で言い表せない気持ちこそ、しっかり見つめたいなと思うのです。

もちろん、そんな事をしてると、あんまり物事は進まないのですけども。

でもそんなあいまいさ、正体の見えない何かから目をそらしたり、置き去りにしたり、せずにいたいなと。

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