正倉院展

昨日の事ですが、久しぶりに、お仕事ではない用事で奈良へ行ってきました。

ここ数年、毎年通っている「正倉院展」

約1300年前の、奈良時代の宝物が見られます。

特に美術工芸品がたくさん見られるのが、わたしにはとても魅力的です。

中国やペルシアからシルクロードを渡って来たものも多くて、そういうものをじっと眺めていると、時間と場所を飛び越えて、別世界に行ったような感じがします。

今年は正倉院の中で一番有名な宝物、「螺鈿紫檀五絃琵琶（らでんしたんのごげんびわ）」が19年ぶりに出陳されるというのもあって、絶対に行きたかったのです。

五絃琵琶は古代のインドや中国の文献に出てきたり、絵に描かれていたりして

文化史の中ですごく重要な存在であるらしいのですが

現存しているのは、世界でこの正倉院にあるもの、たった一つなんです！

これは一つの楽器の表裏

国立博物館に到着して、まず入場するのに90分待ちだったのですが、

さらに展示室の中に、この五絃琵琶を最前列で観るための行列、というのが作られており、ここでも30分ほどは並ぶ。

という過酷な状況の中、しっかりと目に焼き付けてきた五絃琵琶ちゃん。

それはそれはもう、この細工の手の込みようと言ったら言葉に尽くせませんが

これが1300年も前のものだという事を、どういう風に自分の頭で理解をすればよろしいのでしょうか！

もちろんこの他にも、たくさんの出陳物があり、最後の方は疲れて見れないほどでした。

その中でもやっぱり、漆や螺鈿の細工はすごいです。

手仕事の原点を見る思いです。

その他、布とか紙もしっかり残っています。

筆で描かれた文字が、薄れることもなくハッキリ残っているのには驚かされます。

戸籍や税の帳簿みたいなものは、毎年のように出ているのですが、紙類の中で今年初めて見たのが「絵紙」

和紙に模様の型紙を置いて、絵具をスプレーして型紙を取り除くとそこだけ模様が白く残る、という、いわゆるステンシルですが、そうやって作られた装飾紙です。

鮮やかな色使い、柄も可愛くて、今でも十分通用するものでした。

正倉院展では、もちろん宝物の美しさにも魅入られますが、この宝物たちが1000年以上も美しいままに保存されていることが、行くたびに改めて「すごいな～～～！」なんです。

工芸品の見た目の美しさもそうですが、

例えばその他にも、薬として用いられた植物の根なども納められているのですが、それらは調べると、今でも高級漢方薬と同じくらいの薬効が残っているそうです。

その保存の良さの秘密は、やっぱり、教科書でおなじみの正倉院の「校倉造」にあるようです。

通気性、木の吸放湿性、ヒノキの防虫性など…わたし達も知識として分かってはいても、やはりすごいモノなんだな、と思います。

更に、建物はヒノキですが、宝物を入れる櫃はスギで作られたそうです。

これは「ヒノキチオール」が、宝物を傷めてしまう場合もあるということを、古代の人が知っていたからなのだそうです。

（わたし、以前にテレビで、明治時代に、正倉院のその場所で宝物を公開しようという動きがあり、その時に内部を改修してガラスケースにされたというのを見たのですが、

その辺りからやはり、現代的な保存方法には変わっているかもしれませんね。）

約2時間、見終わって疲れて出てきたところに、お茶席が用意されていまして、お抹茶とお菓子を頂きました。　　

おまんじゅうに「花食い鳥」の焼き印。

鳥が、赤い花を付けた植物の茎をくわえて飛んでいます。

花食い鳥は、正倉院の宝物のいたるところに出て来るモチーフなんですよ＾＾

その後、博物館から少し足を延ばして、本当の「正倉院」を見てきました。

東大寺の敷地内、大仏殿の裏の方～にあるのですが、正倉院だけは宮内庁の管轄です。

ここは人気も少なく、「宮内庁」と書かれた腕章をつけたおじさま方が、静かに警備をしておられ

皇宮警察の詰所もあったり、事務所では皇室カレンダーが販売されていたりと(笑)

また独特な雰囲気になっていました。

一度行ってみて下さいね！

--------------------------------------

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m

ところで去年買ったベビーアルパカのセーターを、先日タンスから出しましたら、なんと、虫食いの穴でレース編みのようになってました（涙）

他のセーターは何ともないのに、それだけが思いきりやられていたのです……

防虫剤に頼るより、正倉院に入れてもらえば良かったかも知れません(笑)

　　←　ポチっとワンクリックの応援をよろしくお願いします（*^_^*）